吉村武紘のたんぶらぁ(Yoshimura Takehiro)

この時間帯なので連続ツイも許されるであろうと判断し、ちょっとした騒ぎになっている「ステマ祭り」について。「ν速がアフィ連と揉めた際に出来た嫌儲への移住が激増、そんな中ゲハでも批判されてたはちまがGKの犬でステマ?」みたいな話なんだが、できるだけ内容を損ねず、平易な言葉で書く。


…どっから書けばいいんだ。「2ちゃんねるとは」からか?


まず、御存じ日本最大の匿名掲示板「2ちゃんねる」。ここには、我々ユーザーが、実社会では言えないような罵詈雑言や卑猥な話を、名乗らずに書く事が出来ます。法に触れるような犯罪予告等で無い限りは、個人が特定される事は無く、責任を負う事もありません。


一方、実名で書いた場合と違って「誰の発言か分からないので、権利が曖昧」という面もあります。例えば、実名で論文を発表すれば特許を取れるような内容でも、匿名で書きこんじゃったら、パクられても「それ、俺のアイディア!」とは言いにくいわけです。


なので、創設者である西村博之氏は、本を出す時などに悩みました(切り込み隊長こと山本一郎氏とのイザコザはカット)。例えば「電車男」のスレッドを出版して、印税が入る際、どうすりゃいいのだろう…という話です。


という事で、電車男よりも前に、2ちゃんでは最初の書きこみの際「お前の書きこんだ内容を転用されても文句言うな。2ちゃんに投稿された以上、2ちゃん運営が管理する」という誓約に同意しないと書き込めなくなったわけです。


そもそも「著作権」は、大きく分けて2種類あります。カネを管理する「財産権」と、名誉を管理する「著作者人格権」です。色んな物を書いた人や作った人は、この両方を持ちます。しかし、「財産権」は、譲ったり売ったりする事も可能なんです。所詮はカネですから。「人格権」は書いた人自身のみ。


要は「俺の書いた内容を使って稼ぐ権利」というカネ関係が「財産権」、「俺の書いた内容を、改変したり不本意な使い方をしない権利」という名誉関係が「人格権」です。


で、2ちゃんは、スレの内容を本にしたりする事もあるんで「とりあえず、転用する事は認めてね」と書き込み時に同意を求めた上で、財産権に関しては「言ってくれれば、アンタの投稿分はカネ払うよ」としています。


しかし、仮に1000万円の印税があったとして、「これ、俺の書き込み!証拠もあるし!」と主張しても「じゃあ、全体の2万分の1だから、500円ですかね…」という事になり、立証や請求の手間を考えるとマイナスになるので、みんな、別に文句言わないわけです。


という中、一時、騒動が。2ちゃんが有名になるにつれて書きこみが増え、閲覧も増え、「量が多すぎて、どこを読めばいいのか分からん…オススメのネタだけ楽しみたいんだけど?」という需要が高まったのです。そうして生まれたのが「まとめブログ」と呼ばれる2chダイジェスト的なブログ。


ブログ運営には、アフィリエイト広告を載せたりして、多少は稼ぐ必要があるわけです。これに対し、「俺様のおもしろ書き込みでカネ稼ぎしてるくせに、俺様には一銭も無しか!」的な僻みから、「アフィリエイトで稼いでる2chまとめブログ許すまじ」と「アフィブログ叩き」が開始。


で、ニュース速報板(以後「ν速」)を中心に起きたこの動きは、二転三転四転五転する中、「2chレスは2ch運営が管理する、って同意してるやん…」「でも人格権は書きこんだ本人にあるから、削除や改変不可は要求出来る」という、実に当たり前な結論に辿りつきました。


つまりアフィブログに「ウチが財産権を持ってる書き込みでカネ稼ぎすんな」と財産権の観点から言えるのは2ch運営のみ。が、ひろゆき氏は「めんどくせぇ」と放置の方向で、書きこんだ奴自身が、アフィブログにメール送って「俺様の面白書き込みを転載すんな」と要求するしかないわけです。


で、まあ、お前らが2chに書きこむ事なんて、アナルにバファリン入れたら半分がやさしさになったとか、そんな内容だべ?そういう内容を削除してもらうために「私、埼玉県川口市に住む斉藤と申しますが、例のアナルにバファリンの書き込みを削除して頂きたく」と実名晒して、最悪裁判まで行けるかと。


なので、「じゃあ、転載がイヤな奴は、最初からそういう意思表示ができる場所に行けば?」ということで、「ν速(嫌儲)」が誕生しました。「けんもう」とか「けんちょ」とか呼ばれますが、要するに「俺様の面白レスは勝手に使わせない!」とする人たちの集まる場所です。


で、こないだ「転載禁止」と書かれたレスが、どっかに転載されたと。で、ギャーギャー騒ぎになり、「そんなに言うなら嫌儲に行けば」という事で、一定数が移住。元のν速は荒されまくり、使用に耐えないため嫌儲への移住者が加速。と、まあ、こんな感じの経緯がありました。


だから2ch運営が「実質的に編集できる立場でしょ」と裁判起こされるけど、出廷しないw @Cabagine 編集権をもつってことは、内容に責任をもつってことになる


さて、そんな中。ネットでジワジワと嫌悪感が広がる単語がありました。「ステマ」です。


これは、姿の見えないマーケティング、つまり「ステルス・マーケティング」の略なのですが、アメリカ等では過去に問題になっておりました。要は、「さも広告ではないようなフリをした情報操作」だからです。


たとえば新聞では記事の乱と広告欄が分かれてますね?TVでも番組とCMが分かれてますね?しかし、こうした「はい、宣伝です!」という形にすると「この商品は美味しいですよ」と言っても美味しそうに見えず、自然にクチコミで広がったケースと比べ、好感度が弱いわけです。


実は、こうした「広告ではない広告」は、古くから行われてきました。ファッション業界が、ハリウッドスターに服をプレゼントして着てもらうと、ファンが「あの有名女優も着ていた、あの服が欲しい」と殺到するなど。ネットの登場で、それが激化したわけです。


ラーメン二郎に行った事が無くても「なんか妙なしきたりがあって、異常な盛り付けや味の濃さが凄いようだ…反面、ハマる人はハマるのだろう」と感じるほどに、ネットでは「一般人によるクチコミ」が溢れております。こうした「クチコミ効果」は、マス相手の広告よりも説得力がある…みたいな面も。


じゃあ、その書き込みが、ラーメン二郎が盛大に広告費を使って「なぁなぁ、ウチのラーメンについて書いてくれよ!1回につき1万円払うよ!」と書かせた物だったら?


ってなわけで、ステマが存在すると、もう、世の中の何を信じれば良いのか分からなくなっちゃいますね、規制しましょう…な動きが海外でありました。勿論、映画を見てもらったり商品を使ってもらって「良い点も悪い点も自由に書いて下さい!」という、フェアなPRはまったく問題無いですけど。


だが実際どうよ。企業がカネ出して自社の悪口書かせるなんてバカなことするワケねーべよ。だから、不自然にほめちぎってるブログとかウェブサイト見て「ああ、カネ貰ってんのかな…」とか思いつつも、なんとなーく、みんな容認してたわけです。


最大の問題は「誉める事が出来るという事は、叩く事も出来る」という点。「オイ、あの会社の商品、ボロクソに叩いてくれよ…」と依頼する事も出来るわけです。これをやっちゃうと、はっきり言って不正競争・業務妨害の範疇。今回の騒動は、ソニーが、その禁じ手を使ってたんじゃねぇか…という物。


「はちま寄稿」という、ゲーム批評などに関する、2chまとめサイト(アフィブログ)がありまして。正直、なんつーかね……ひどいのよ。


例えば、ある商品について賛否両論が2chに書きこまれたとする。その場合「賛成意見だけを抜粋した物」は、実際の2ch世論に即してないわな。賛否が6:4なら、6:4ぐらいの比率で抜き出す方が誠実。まあ実際は7:3になったり5:5になったりするだろうが。


で、「はちま」は、その傾向が顕著で、異常なほどに企業や商品を叩く内容ばかり抜粋してたりする、と。それがサイト運営者の趣味や感性による物なら仕方ないか……という中で、どうも、こんな話やhttp://t.co/BY4grnpb こんな話が。 http://t.co/Rkazw7Qe


簡単にまとめると「どうも、ソニーの支援を受け、ソニー社員のオヤジが会社を作り、はちま寄稿で提灯記事を書かせたり、他社に難癖付けたりしてたっぽい…」という話。休日ゆえ俺も登記簿などは調べて無いが、状況証拠から見ると、それ相応に「信用に足るのでは」と思わせる面がある。


はい、ここから重要。


仮に、「金をくれない社の商品は叩く」「ソニーは金くれるし後ろ盾になってくれるから意に沿うような形にする」というなら、それは単なる総会屋であり、ソニーの行為は総会屋に対する利益供与である。しかし、そう単純には言い切れない面があるのだ。


それは「2chの抜粋です」という逃げが打てる点。「私が書いたんじゃありません。”言われの無い悪口だ、業務妨害だ”と仰るなら、それを書いた本人に言ってください」


無論、「カネ貰って“他者の悪口を広めてくれ”と依頼されていた」のであれば、抜粋だの何だのは関係ない。しかし、「宣伝目的でカネを受け取った」とは言えても「そのカネには、他者の悪口を言う事も含まれていた」という因果関係の立証は難しいだろう


また「私の意見ではなく、私はチョイスしただけ」というのは、そこに「相手を潰そうとする意図があると立証できなければ」一定の実効性を持つ逃げ方だ。新聞に載る識者コメント、TVで流れる街の声と同様に。「野田さん、なんか暗いよね!」は八百屋のオッサンの意見であって局の意見ではない。


本来「はちま」には編集権が無い。転載できてる事自体が「黙認」の積み重ねだ@Cabagine 編集権ってのは、端からそういう言い逃れができない責任のことだ


さて、こうした「Web上の総会屋行為」「抜粋という無責任さ」は、放置してると業務妨害や不正競争の温床となる(彼ら自身はwebマーケティングだのPR会社だのと思っているのだろうが…)わけだが、さて、どうしましょうかね、という、今後のネットのあり方を考える上で割と重要な話。


俺は、とりあえず、悪質な奴等を300人ほど殺してみると「あまり逸脱した行動をとると殺される」と委縮して節度あるwebになると思うので、週明けの朝イチで300個の棺桶を発注しておくべきだと思う


道義もクソもないわけですよ、メディアじゃなくて総会屋だからw ブラックジャーナルが「A社で会長の専横が激化、会社のカネを使いこんだとする声も」とか書きたてるのと一緒で。@Cabagine 法的責任と編集ってのは、次元のちがう話だろ。著者自身の意見であろうと立証責任はおなじことだよ


食べログだって、あれが「プラス方面の宣伝」だったから、世間の反応があの程度で済んだんですよ?もしライバル店に「ここで食事をしてからおなかが痛くて…」「高熱が出ました。ここで生物を食べるのはやめた方が」「コップにハエが浮いていて…」とか書いてたら大問題ですよ。


手っ取り早い対抗措置は「相手の足も引っ張る」とか「自分たちの正当性を宣伝する」とか、そういう形なんですけども、総会屋ちゅーのは「社長、アンタの会社ボロクソに言われてますよ。俺なら、ヤツらを黙らせられるし、アンタの会社にプラスになるよう口を利けるけどね…」とマッチポンプやるからね。

kettansai

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